野球というゲームがあります。
こんな紹介をするのも奇妙ですが、改めて紹介するのが奇妙に思えるほど、著名なゲームです。ボールを投げたり、走ったり、ボールをバットで打ったりするスポーツです。
スポーツとボードゲームは肉体を激しく使うか否かの違いがありますが、勝負事・ゲームであるという点は共通しています。
野球は優れたゲームで、完成度が高いです。要素が多く、それらを変えることで無数のヴァリアントができそうですが、(というか、実際にヴァリアントがある。実例:DH制を導入するか否か)現状の制度が最も野球が面白いのでしょう。
現状では、ストライクが3つで、アウト1つになります。これがもしも、ストライク4つでアウト1つになったらどうなるか。もしもホームから1塁までの距離が今より50センチ長かったらどうなるか。原則9回でゲーム終了なのを10回に改めたらどうなるか。
いろいろ野球にもルールをいじれる点が多くあり、現在の体制に落ち着いたのは数多くのテストプレイの結果、多くの微調整が実施され、それらを更にテストプレイで試して面白さを確認するという作業があったのでしょう。こうして生まれたゲーム、野球は長い歴史があり、完成度もとても高いゲームになっているのです。
テストプレイの重要さ、それに付随する微調整の大切さは同じ「ゲーム」であるボードゲーム・カードゲームについても言えるように思います。
ボードゲームの名作エル・グランデ。このゲームには塔を含めた10個の地域が登場します。どうして9個でなく10個なのか。どうしてノイ・カスティリアの最高点は7点なのか。どうして大公ボーナスは2点なのか。これら一つ一つも多くの研究・テストプレイの結果今の形になったのであり、その今に至る長い道のりを考えるととても大変なものだと思います。
野球にもエル・グランデにもルールがあり、どうしてそのルールに落ち着いたのか、それを考えるとゲームの考案者の苦労が分かります。しかしながら、野球と異なりドイツゲームの場合は歴史も浅いため、(野球と比較して)完成度が高い訳ではないです。
そこに、ヴァリアントを考える余地もあるのです。3人以上でのプレイが公式の王と枢機卿は2人でも楽しく遊べます…といった感じで、いろいろ工夫をする余地があると思います。
プレイヤー間の合意が得られるなら、いろんなルールを試してみると多くの発見があるでしょう。けれども、その土台には、多くの苦労をしたゲーム考案者への敬意がなくてはならないように思います。
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